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大腸の主な病気

大腸イラストストレスや生活習慣の影響が顕著に表れやすく、胃と同様にトラブルに悩む患者さんが多いのが大腸です。突然の下腹部の痛みや下痢、下血といった激しい症状を伴うことも多く、その原因は複雑に分岐しているのが特徴的です。悪化すると腸粘膜のただれやがんなどの深刻な事態に進行していることもあります。原因不明の便秘・下痢が長く続く場合や血便が出た際には迷わずすぐにご受診ください。特に血便は詳細な検査を行わなければ病名を判別しにくいケースが多いです。

目次

感染性腸炎(ウイルス性腸炎・細菌性腸炎)

感染性腸炎は大きくウイルス腸炎と細菌性腸炎に分けられます。ウイルス性腸炎は下痢・腹痛・嘔吐といった症状として現れることが多く、脱水症状に気をつけることが第一です。合わせて整腸剤等の薬をうまく併用しながら体調の回復を目指します。

一方で警戒すべきは食中毒などのO-157やサルモネラ、カンピロバクターといった細菌性腸炎です。こちらは血便などの激しい症状を伴うこともあり、重症化しやすいという特徴があります。抗生物質の投与などの緊急性の高い対応が必要となります。特に小さなお子さんやご高齢の方など免疫力が低い方には注意が必要です。

炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)

原因がまだ詳しく解明されていない難病指定の病気でありながら、現在も約30万人もの患者さんが苦しまれている病です。腹痛や下痢、血便などの症状が続くことで初めて気づくケースが多く、特に10代から40代といった若い世代の患者さんが多いです。

患者数年代別推移グラフ

寛解(症状が良くなること)と増悪(症状が悪化すること)を繰り返すのが特徴的な病で、薬を正しく用いて寛解状態を維持することが重要です。診断は大腸カメラを用いて行います。重症度に応じてさまざまな薬が開発されていますが、増悪した状態が続くとがん発生への影響が懸念されます。またクローン病は口から肛門に至るまでの消化管すべてに生じる病です。腸に穴が空くほどの深い潰瘍ができたり、狭窄を起こすなど重大な事態を引き起こします。さらに肛門に合併症病変が見つかるケースが多いのが特徴です。診断は内視鏡と病理検査によって行います。

虚血性腸炎

腹痛や血便といった症状が出やすい病です。腸の粘膜内の血流が悪くなることで炎症が起きます。ご高齢の方に多くみられ、高血圧や糖尿病、動脈硬化や便秘などとも深い関係性があると言われています。血管の解剖上、下行結腸に発症するケースが多く、おなかの左側に突然痛みを生じて駆け込まれる患者さんは多いです。

過敏性腸症候群(IBS)

過敏性腸症候群タイプ

年齢や性別にかかわらず、非常に多くの患者さんが患われている病です。下痢型や便秘型、混合型といったタイプがありますが、腸自体には何ら異常がみられないのが特徴です。腹痛やお腹の張り、残便感や食欲不振、疲れやすさや肩こり、不安感など症状が多岐に渡ることも過敏性腸症候群の厄介なところです。精神的なものとの関与が取り沙汰されがちな症状ではありますが、実はタバコやアルコールの過剰摂取、食物アレルギーといった普段の食生活に原因が隠れていることも多いです。患者さん自身も精神的なものと混同しやすく、長期に渡って我慢してしまう傾向があります。

しかしながら、実は潰瘍性大腸炎などほかの病気だったというケースも決して少なくありません。少しでもおかしいなと感じたら遠慮なく当院までご相談に来ていただければと思います。

大腸憩室炎

大腸内の圧などにより粘膜の一部に凹み(憩室)を生じる病です。一度凹むと治ることはありません。憩室自体は無害で無症状であることがほとんどですが、出血や炎症を伴う合併症を引き起こした際には治療が必要となります。内視鏡により偶然発見されることも多いです。

大腸ポリープ

大腸内にできるポリープはがん化するものも少なくありません。腺腫と呼ばれるポリープがある場合は特に要注意です。内視鏡検査などで疑わしいポリープが見つかった場合には、早期に切除することが望ましいです。大腸ポリープは便潜血検査でも見つけることは難しく、やはり内視鏡を用いた精緻な観察を行わなければ診断がつけられないのが実情です。ポリープは食生活、体質や家族性大腸腺腫症などといった病気とも深く関係しています。ポリープの大きくなるスピードもひとつひとつに違いがあります。ポリープ自体には症状はありませんが、2cm以上にもなるとすでにがん化している可能性が高くなります。

大腸がん

食生活の欧米化とともに男女とも増加しており発症率、死亡率とも上位を占めます。自覚症状が出る段階ではすでに進行していることも多く、予防には定期的な健康診断等での早期発見が鉄則です。ポリープからのがん化も多く、早期に発見さえできれば内視鏡による切除で完治も可能です。外科的な手術が必要となると、身体への負担も大きくなり根気強い治療が必要となります。大腸がんは早期発見できれば実は90%以上が完治できる可能性を持っているという研究データもあるほどです。

しかしそれでも毎年死因上位に挙げられる病である理由は、その受診率の低さにあります。平成22年度の国民生活基礎調査では40歳以上の男性の受診率は27.4%、女性においては24.9%という非常に低い数値となっています。

定期的に大腸内を観察する機会さえあれば、大いに救えるチャンスがあったかもしれない尊い命です。特に大腸がんのリスクは40歳代以降急増します。過去にポリープが見つかった経験のある方やご家族内に大腸がんを患った方がいる方、排便の際に出血がみられている方などは特に要注意!痔による出血だと本人が思い込んでいたがために手遅れになったいうケースは、実際の日々の診療現場においても少なくないというのが現実です。

便秘症

便秘にお悩みの方は大変多いのですが、たかが便秘とあなどったり、病院に来ること自体を恥ずかしく感じ、受診をためらわれている方はとても多いです。特に女性の患者さんは一人で悩みを抱え込まれている方も少なくありません。便秘の定義はさまざまで、個人差も非常に大きいです。便の出にくさを感じているならばそれは便秘症です。幸いにも現在では非常に多くの良い治療薬が開発されています。

原因としては食事の偏りや運動不足、水分不足やストレスなど多岐に渡ります。一番怖いのは、ただの便秘だと思い込んでいたのに実は大腸がんなど重大な病が隠れているケースです。加えて誤った市販薬の使い方をしている患者さんも多いです。便秘治療の現場では薬選びについても慎重に医師と相談しながら、その方の体質や生活スタイルに合った最良のものを見つけています。

便秘の悪循環

特に消化器内科は便秘治療も専門としている科ですから、ぜひ恥ずかしがらず、便秘を軽くみくびることなくご相談にいらしていただければと思います。

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