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虚血性腸炎

虚血性腸炎とは

大腸に流れる動脈の細い枝が閉塞したり、狭くなったりして、腸の粘膜が虚血性変化(血流が来なくなること)をおこし、炎症を呈する疾患です。解剖学的に左側大腸に起こりやすく、50歳異常の高齢者、特に女性に多い傾向があります。近年は若年者の発症も増えています。

発症形式により、一番多い一過性型、腸が狭くなってしまう狭窄型、腸粘膜が壊死してしまう壊疽型に分類されます。

原因

高血圧、動脈硬化などにより生じた細い血管での循環障害が関与します。そのため、糖尿病、長期透析、心不全、喫煙歴、肺気腫などを有することが多いのが特徴です。また便秘や下痢などで腸管圧が高い状態も誘因になります。

症状

突然の腹痛(左側が多い)、下痢、血便が主症状です。そのほか、しぶり腹(便が出ないにもかかわらず頻回に便意、腹痛をもよおす)、微熱、悪心・嘔吐を伴うこともあります。

診断法

粘膜のただれと浮腫がみられます。

よく問診したうえで、血液検査にて炎症所見を調べます。大腸内視鏡検査にて病変部位、粘膜の状態を確認します。感染性腸炎潰瘍性大腸炎クローン病が鑑別診断となります。

治療法

多くは予後良好な一過性型のため、通常は10日以内に軽快しますが、再発することもあります。狭窄や壊死(腸が腐ってしまう)があれば外科的治療が必要です。

文責 北村医院 院長 北村大介

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