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大腸がん

大腸がんとは

大腸粘膜から発生する悪性腫瘍です。食生活の欧米化に伴い増加してきています。癌の罹患者数(かかっている人数)は、男性では2013年に胃がんを上回り1位になりました。女性では2位(1位乳がん)となっています。死亡者数は、男性では3位(1位肺がん、2位胃がん)、女性では1位です。部位的にはS状結腸、直腸に多く、約5%の人は多発します。

がん部位別死亡数

大腸がん部位別発生頻度

原因

発生のリスク要因として、大腸がんの家族歴や既往歴、長期経過した炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎など)、アルコール多飲、肥満、運動不足、糖尿病、喫煙などの環境的要因があります。そこに、遺伝的要因、年齢などが複雑に関与し、その結果、複数の発がん遺伝子の活性化、およびがん抑制遺伝子の不活性化が生じると考えられています。

また、癌の発生については、良性の腺腫(大腸ポリープ)が癌化するadenoma-carcinoma sequenceと、正常粘膜から直接に癌が発生するde novo pathwayが考えられています。

症状

早期には症状はほとんどありません。進行すると一般的には血便、腹痛、便秘・下痢・便が細くなるなどの便通異常、腹部膨満感、しぶり腹(便が出ないにもかかわらず、頻回の便意をもよおすこと)などを自覚します。

診断法

早期発見のスクリーニングには便潜血が有効です。要精密検査になったり、上記のような症状を認めたときは大腸内視鏡検査を行います。

病理組織(細胞)検査にて確定診断をします。また血液検査にて、貧血や腫瘍マーカーを調べたり、CTなどの画像検査にて転移の有無を確認します。

治療法

早期であって、条件を満たせば大腸内視鏡にて切除可能です。近年は胃と同様に、内視鏡的粘膜下層切開術(ESD)が普及し、大腸内視鏡にて切除できる場合が多くなってきました。また外科的切除でも腹腔鏡下手術やロボット支援手術が進歩し、手術成績も向上したうえに患者さんへの負担も小さくなりました。

手術にて根治が困難な場合などは、化学療法や放射線療法の適応になります。こちらも近年新しい分子標的薬や治療法が加わり、治療成績はよくなりつつあります。

大腸がんステージ分類

しかし、何よりも大切なのが胃がんと同様に、早期発見・早期治療で、ステージⅠであれば5年生存率は約90%以上であり、十分根治が期待できます。

文責 北村医院 院長 北村大介

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