食道がんとは

食道に発生する悪性腫瘍です。男女比6：1と男性に多いのが特徴で、危険因子としては喫煙、アルコール（特にアルデヒド脱水素酵素変異といって、飲んで赤くなる人）熱い食事が好きな人、肥満などがあげられます。また前述のバレット食道では発癌率が高くなります。

症状

基本的に無症状のことが多いのですが、『わずかにしみる』『わずかな前胸部痛』を感じる方もいます。進行すると、食物のつかえ感や嚥下困難、体重減少があらわれます。また、転移や浸潤等で嗄声（声がかすれる）や咳、肺炎などをきたす場合もあります。

診断法

胃内視鏡検査により直接確認します。

病理組織（細胞）の検査も行います。血液検査で腫瘍マーカーの確認やCTなどで浸潤・転移の検索を行います。

治療法

ごく早期で発見できれば内視鏡により治療できます。この場合、体への負担はかなり小さくなります。少し癌が深く浸潤していた場合は外科的手術が選択されます。（最近は胸腔鏡手術が一般的となり外科的侵襲が以前とくらべ小さくなりました）そのほかに放射線治療や抗がん剤による化学療法を組み合わせた集学的治療があります。

食道がんは以前より治療成績が良くなってきたとはいえ、他の消化器癌と比べ予後は不良です。何よりも早期発見・早期治療が大切です。

文責　北村医院　院長　北村大介