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機能性ディスペプシア

機能性ディスペプシア(FD)とは

症状の原因となる器質的疾患がない、つまり検査では特に異常が見当たらないのに、慢性的に胃もたれや胃痛などの腹部症状を呈する疾患です。比較的若い世代の方に多くみられ、日本人の10~20%に機能性ディスペプシアがみられるというデータもあります。また過敏性腸症候群(IBS)逆流性食道炎を合併することが多く、これらの機能性消化管障害では気分障害や神経性障害も併発しやすいのが特徴です。

原因

胃の運動機能障害、知覚過敏や心理・社会的因子、ストレスなどによる自律神経系の問題、胃酸、ピロリ菌など多くの病因が存在し、複雑に絡み合って発症に関与していると考えられています。また、脳腸相関といって、脳などの中枢機能と消化管機能の関連が注目されています。感染性胃腸炎が原因になることもあります。

診断法

RomeⅣ基準というものがあります。もたれ感、早期飽満感(食事ですぐにおなか一杯になってしまう)が主症状の食後愁訴症候群(PDS)と胃痛、心窩部灼熱感が主症状である心窩部痛症候群(EPS)に分類されます。

機能性ディスペプシアの症状

また大切なのがこれらの症状があるのにもかかわらず胃内視鏡検査では異常を認めないという点です。

治療法

今や珍しい病気ではありませんが、気づかないまま放置され進行しているケースはとても多いです。大切なのは、不安を取り除いたうえで症状に応じた薬物療法を行うことです。まずは生活指導として、ストレスのコントロール、規則正しい生活、暴飲暴食の是正、禁煙などを行います。そのうえで内服治療をしますが、消化管機能改善薬(アコチアミド)や酸分泌抑制剤、漢方薬、場合によっては抗不安薬などを使用します。それでも改善がないときは再度ストレス・心理的要因を評価し、心療内科的治療も考慮します。

文責 北村医院 院長 北村大介

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