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過敏性腸症候群(IBS)

過敏性腸症候群(IBS)とは

腸に器質的病変(ただれや潰瘍、腫瘍など)はみられないけれど、便通異常(便秘、下痢、または両方)や腹痛が続く大腸の機能性疾患です。女性に多く、近年増加傾向にあります。また有病率は10~15%で、加齢とともに低下する傾向があります。 便形状の異常により4つに分類されます。

原因

ストレスや情動的動揺など、心理的異常を背景とすることが多いのが特徴です。また、そこに腸内細菌や粘膜炎症、神経伝達物質、ホルモンなどの内分泌物質、遺伝などの関与により腸の運動異常、知覚過敏状態を引き起こします。

また、脳腸相関といって、脳などの中枢機能と消化管機能の関連が注目されています。その他、感染性腸炎後過敏性腸症候群といって、感染性腸炎にかかった後に過敏性腸症候群の発症率が6~7倍増加することが示唆されております。

症状

腹痛を伴う便通異常が持続します。便秘型では兎糞状便を呈します。また、腹鳴、おならが頻回に出るなどの症状も典型的です。その他、倦怠感、不安、不眠、頭痛、頻尿、発汗、動機などの症状を伴うこともありますが、器質的病変ではないため体重変化や血便などは認めません。また就寝中の排便もないことが特徴です。

診断法

まず詳しく問診し、RomeⅣ基準をもとに診断します。また大腸内視鏡検査にて粘膜のただれや潰瘍など器質的な病変がないことを確認します。

治療法

食事と生活習慣の改善が大切です。消化管運動が激しくなるのを抑えるには高繊維食が有効です。薬物治療は過敏性腸症候群に特化した内服薬があります。その他、消化管運動調節薬やビフィズス菌などのプロバイオティクス、高分子重合体製剤を基本とします。

それでも改善がない場合は、抗不安薬や抗うつ剤を使用したり、再度ストレス・心理的要因を評価し、心療内科的なアプローチを考慮します。

文責 北村医院 院長 北村大介

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