胃ポリープ
胃ポリープとは
胃粘膜に限局した隆起病変です。病理学的(細胞の顔つき)によって3つに分類されます。
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胃底腺ポリープ
ピロリ菌がいない胃粘膜に発生します。癌化することはほとんどありません。しかし家族性腺腫性ポリープ(FAP)といって遺伝性の疾患では胃底腺ポリープが多発し癌化するリスクがあります。
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過形成ポリープ
ピロリ菌感染などによる胃粘膜損傷・修復を繰り返しているうちに、粘膜上皮の一部が過形成(大きくなってしまう)してしまうため発生します。比較的発育は穏やかで癌化率も低い(5~10年経過観察下で1~2%)です。
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腺腫性ポリープ
高齢者に多く長期経過観察中に癌化することも稀ではありません。
症状
ほとんどなく無症状です。
診断法
胃内視鏡検査にて直接確認します。そのうえで必要があれば組織(細胞)を採取確認して病理学的診断を確定します。
治療法
胃底腺ポリープや過形成ポリープは合併症がなければ経過観察します。また過形成ポリープはピロリ菌の除菌治療にて縮小・消失する場合もあります。腺腫性ポリープは癌化のリスクもあるため内視鏡的切除も考慮します。また、胃底腺ポリープは胃酸分泌抑制剤であるプロトンポンプ阻害薬(PPI)の長期内服との関連性が示唆されており、同剤の中止で改善することもあります。
文責 北村医院 院長 北村大介