便秘
2017年に日本消化器病学会で出された慢性便秘症診療ガイドラインによると、便秘の定義は『本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態』とされております。
つまり、排便回数や排便量が少ないために、大腸内に便がたまった状態で、腸の出口である直腸から便を快適に排泄できない状態を表します。
原因としては
1,器質性便秘(大腸の形態的変化を伴うもの)
① 狭窄性
狭窄によって便の通過が物理的に障害されて生じる便秘
② 非狭窄性
狭窄はないが、大腸の形態的変化(伸びた風船のように膨らんでしまったり、直腸の形が変わってしまい排便障害を生じたりするもの)による便秘
2,機能性便秘(大腸の形態的変化を伴わないもの)
① 排便回数減少型
腸の動きが低下したりして、排便回数や排便量が低下して腸に便が大量に貯留するために腹部膨満感や腹痛などを生じるもの
② 排便困難型
排便時に腸の出口である直腸にある便を十分に排泄できず、排便困難感や残便感を生じるもの
に分類されます。そのほか、食事の偏りや運動不足、水分不足やストレスなど生活習慣によるものや、薬の副作用によるもの、糖尿病・甲状腺疾患などによる二次性便秘症もあります。一番怖いのは、ただの便秘だと思い込んでいたのに実は大腸がんなど重大な病が隠れているケースです。加えて誤った市販薬の使い方をしている患者さんも多いです。便秘治療の現場ではしっかり原因を特定し、薬選びについても慎重に医師と相談しながら、その方の体質や生活スタイルに合った最良のものを見つけています。
考えられる疾患
診断法
まずは詳しく問診しRomeⅣ診断基準に沿って診断します。原因検索のためにレントゲン検査、血液検査、必要であれば大腸内視鏡検査を行います。